今回は「ポケモン日本一決定戦2020予選」と「ランクバトル シーズン7」で使用したダブルバトルの構築について紹介します。
結果
ポケモン日本一決定戦2020予選
メイン最高1764 最終1740(30勝13敗)
サブ最高1773 最終1751(33勝12敗)
構築経緯
6月に隠れ特性のエースバーン、ゴリランダー、インテレオンが解禁されました。その中でエルフーン+エースバーン系の構築が流行し、自分も試しに使ってみたところ非常に強い構築であると感じました。メタ対象になる可能性は高いとはいえそのメタさえも踏み倒せるパワーがあると思い、この構築をベースにすることに決定しました。
色々と試している中でエルフーンで追い風を展開し、エースバーンとウオノラゴン、そしてこの2体が苦手めなギャラドスなどに強いストリンダーで制圧していく戦い方に強さを感じ、この4体の採用が固まってきました。
ここまででの課題として、トリックルームに勝てないことが挙げられます。元のものだと「ドラゴンテールジュラルドン」や「封印シャンデラ」が対策として入っていましたが個人的にはあまり使いこなせませんでした。ジュラルドンはねこだましでトリックルームが止められなくなること、シャンデラは熱風の外しが攻撃を通すうえで気になったことがおおまかな理由です。考えている中で「鎧の孤島」の配信と同時に新教え技が解禁となりました。
そこで注目したのが「イエッサン♂」です。封印でトリックルームを止める仕事だけでなく、非常に強力な命中安定全体技「ワイドフォース」を習得したことで削り役としても優秀な役割を果たすことができるようになりました。使ってみたところ非常に感触が良かったため、そのまま採用しました。
VSミラーパーティについて
当初はラスト1枠にミラーパーティに強いポケモンを入れようと考えていました。ここまでの5体を考えると、同じ系統のパーティと当たった際どうしても同速対決になってしまうと考えたためです。インテレオンやドラパルトはエースバーンより速く案として挙がりましたが、先発で出し負けたりエースバーンにダイジェットをうまく積まれると勝てなくなってしまうため微妙だと感じました。
考えた結果、ミラー相手にはトリル展開を狙うことを決めました。サイコフィールドを展開する都合上、それまで使っていた脱出ボタンエルフーンの「すりかえ」を抜くことを決めていたため技枠がひとつ余っていました。そこでエルフーンに「トリックルーム」を覚えさせることでトリル展開をイエッサン以外でもできるようにしました。選出や立ち回りについては後述します。
トリックルームを入れたことでラスト1枠を自由に選べることになり、考えた結果「ナゲツケサル」を選びました。イエッサンのワイドフォースが通らない悪タイプやここまでで勝てなそうなエルフ+バンドリに強いこと、エースバーンやウオノラゴンが苦手な「いかく」を「まけんき」で逆手にとれることなどに相性の良さを感じました。また増加傾向にあったカビゴンへの打点も意識しました。
この6体で完成です。
個別解説
持ち物:せいれいプレート
特性:いたずらごころ
性格:おくびょう
努力値:H252 B4 C12 D228 S12
実数値:167-X-106-99-124-151
おいかぜを張るポケモン。HDはひかえめシャンデラのねっぷう確定耐え調整。HDに振ることでミラー構築に対しシャンデラのねっぷうやバイバニラのふぶきを耐えてのトリル展開を想定しています。「ちょうはつ」はトリックルームを止めたり催眠技やまもる択を消すことに使用しました。ただしイエッサンを一緒に出すとサイコフィールドとなるのでそこは注意が必要です。持ち物は何でもよかったのですが、耐久に振った分の火力を補うため「せいれいプレート」としました。(脱出ボタンはトリル展開を考えると×、イエッサンのサイコフィールドで相手のエルフーンからちょうはつを受けずに済むためメンタルハーブも△、襷はイエッサンに持たせたかったため×)脱出ボタンの方がトリル展開をしない時は攻撃のテンポが上がり良いです。
エースバーン
持ち物:いのちのたま
特性:リベロ
性格:ようき
努力値:AS252 H4
実数値:156-168-95-X-95-188
パーティのエース。あまり語ることはない強ポケで、タイプを自在に変えられるため数値以上に耐久力のあるポケモンだと感じました。ふいうちはサイコフィールドと相性が良くありませんが99%ダイマックスさせるため特に気にはなりませんでした。また、ダイマックスが切れる頃には大体サイコフィールドも終わってるので問題は無いと思います。
ウオノラゴン
持ち物:こだわりスカーフ
特性:がんじょうあご
性格:いじっぱり
努力値:AS252 B4
実数値:165-156-120-X-101-127
上からエラがみを連打しまくるポケモン。技はダイマックスしたときを意識して「ドラゴンダイブ」、無限の勝ち筋「いわなだれ」、エラがみができないときの安定打点「かみくだく」としましたが、エラがみ以外一回も撃ちませんでした。上からのエラがみは火力がえげつなく、おいかぜと非常に相性が良いです。
ストリンダー
技:オーバードライブ ヘドロばくだん バークアウト(ばくおんぱ) ちょうはつ
持ち物:こだわりメガネ
特性:パンクロック
性格:ひかえめ
努力値:CS252 H4
実数値:151-X-90-182-90-127
エースバーンが苦手めなギャラドスやアシレーヌへの打点となるポケモン。エースバーンでダイアークを撃ってから攻撃するとえげつない火力になります。メインロムではバークアウト、サブロムではばくおんぱを採用してみましたが、どちらも特に使う場面はありませんでした()なおトリル展開した時にすばやさ関係が逆転することを嫌い、今回は非キョダイ個体を採用しました。
イエッサン♂
技:ワイドフォース マジカルフレイム トリックルーム ふういん
持ち物:きあいのタスキ
特性:サイコメイカー
性格:おくびょう
努力値:CS252 H4
実数値:136-X-75-157-115-161
ワイドフォースでの削りとトリックルームをふういんするのが主な役割で、多くの場面で活躍してくれました。耐久力は心もとないため「きあいのタスキ」としました。イエッサン♂と対面した時は、トリックルームだけでなくワイドフォースも封じられるためふういんが強いです。
技:インファイト アイアンヘッド はたきおとす タネばくだん
持ち物:とつげきチョッキ
特性:まけんき
性格:ようき
努力値:AS252 B4
実数値:175-172-111-X-80-145
最後に採用したポケモン。以前使った時は「タネばくだん」でなく「フェイント」を採用していましたが、サイコフィールドを考慮しつつ、構築全体として重めなトリトドンを意識して「タネばくだん」にしました。持ち物は低めな特殊耐久を補う「とつげきチョッキ」にしました。
選出、立ち回り
基本選出、VSスイッチトリル
先発+
後発+or
ありえないほどイエッサンの通りが悪い時以外はこの並びです。エルフーンでおいかぜを張りながらワイドフォースで削っていき、裏で押し切る形を想定しています。
また、スイッチトリル系にもこの選出をすることで
先発トリルポケモンあり→封印
それ以外→ワイドフォースによる削り
と出し負けが起こらないようになっています。ただしトリルを張られても次のターンにトリルを返せそうな時は、強気にワイドフォースから入ります。
VSガチトリル
先発+
後発+or
イエッサンの封印で確実にトリックルームを封じながら、他のポケモンでごり押していきます。おいかぜを張らなくてもこちらの方が速いのでエルフーンは選出する必要がありません。先発はストリンダーやナゲツケサルのこともあります。
VSミラーパーティ
先発+
後発+
ミラーだけでなく、エルフーン軸相手だとトリル展開を狙います。相手の先発にエルフーンがいる場合、エルフーンかイエッサンの動けそうな方でトリックルームを撃ちます。相手がおいかぜを張ってトリルが通ればほぼ勝ちです。後発にはトリル下で先に動けるよう、パーティの中では遅めの2体を置くのが良いです。もし相手の先発にエルフーンがいない場合は、おいかぜワイドフォースで上からごり押すルートを取ることで大体勝てます。
ミラーパーティにはほとんど勝てたので、トリル展開を狙うコンセプトは正解だったと思っています。
苦手な相手
ゴリランダー入り
イエッサンはフィールドを取られ、ねこだましでエルフーンの仕事を封じたりグラススライダーで削られまくられます。エースバーンで上手く倒したいですがきつい相手です。
改善案
とにかくがきつかったため、こいつをどうにかする必要があると感じました。おそらく変えるとするならウオノラゴンかナゲツケサルの枠です。構築のバランスを崩さないようにするなら、ウインディ、カポエラーあたりで威嚇を撒きながら戦うのが良いかもしれません。
追記:
カポエラーに変える場合の技構成や努力値について質問を頂いたので、ウインディの場合とカポエラーの場合とで考察してみました。
まず努力値についてですが、どちらにしてもASぶっぱで良いと考えました。上から殴り倒す構築特性上、変に耐久に回すよりは少しでも上から叩ける範囲を広げて火力を出すべきだと思います。
次に技構成です。
選択「しんそく」「てだすけ」
ダメージをどんどん与えていけるよう考えた結果物理型となり、まず上の3つを選びました。選択枠として「しんそく」はサイコフィールドと相性が悪いですが、グラスフィールドに塗り替えられる前提なら採用もありです。「てだすけ」は置物になりそうな時に有効な技となります。構築特性上「おにび」や「バークアウト」など相手の火力を削ぐ系の技は合ってないと思います。
確定「インファイト」
選択「いわなだれ」「てだすけ」「ねこだまし」「がむしゃら」「ワイドガード」「ファストガード」「トリプルアクセル」「ドリルライナー」「ストーンエッジ」
「インファイト」はタイプ一致の高打点として入れない理由はないと思いました。その他、インファイトが通らない相手に少しでもダメージを出せてひるみも狙える「いわなだれ」、置き物になりそうな時に仲間の火力を上げられる「てだすけ」、何かと便利な場面の多い「ねこだまし」あたりが無難かなと思いました。こちらも上から高火力を押し付けるパーティである都合上、相手に少しでも大きいダメージを与えられるように工夫したいです。ただ、「ファストガード」はゴリランダーを意識すると面白い技なのかもしれないです。
持ち物
「とつげきチョッキ」「オボンのみ」「混乱実」「タイプ強化アイテム」「こだわりハチマキ」「しろいハーブ」あたりから選択
上の3つなら安定感が出て、「タイプ強化アイテム」や「こだわりハチマキ」だと瞬間的に火力を出せます。「しろいハーブ」は威嚇で止まらないという点で強いと考えました。試してみて感触の良いものを使うべきだと思います。
ウインディにしてもカポエラーにしても、「威嚇を撒く」という仕事が終わったら少しでも多くのダメージを出せるようにしたいです。
感想
この構築で気に入っているところは、「安定感」です。主な打点として「ワイドフォース」や「エラがみ」、「オーバードライブ」「インファイト」など命中率が100%の技を採用していることや、サイコフィールドによってオーロンゲのでんじはなどを防げることにより、いわゆる「運負け」を減らすことができたと思っています。基本的に上から殴るため、ひるまさられることも少ないです。この先構築を作る時も、できるだけ運要素を排除した構築を組みたいと思いました。